オミクロンはピークアウトしたけれど

2022/02/19

コロナウイルス 統計

 オミクロンも2月8日にようやくピークアウトしたと見られるが、その後の減少ペースは鈍い。また、当初オミクロンは重症化しないと言われたが、死者の数はデルタ株とあまり変わらないようなペースで増加している。

これからどうなるのか、今後の死者数はどうなるのかについて、例によってテクニカル分析で予測してみる。


上は2020年6月以降の陽性者数のグラフである。多少の凸凹はあるものの、これまでのピークはほぼ直線に乗っているように見える。そして第6波は2月8日に93223人(7日平均)でピークを打った。今後は減少に向かうと思われる。しかし減少のペースは鈍い。


第6波の部分を拡大したグラフが上である。オレンジの曲線が予想値。このペースだと3月中旬になってようやく1万人を切る。もっと長引くかもしれない。

それでも減少するなら安心であるが、もう一方で死者が増加しているのが気になる。陽性判明から死亡までには時間差がある。これまでの波でみると、陽性者のピークから、おおよそ半月遅れで死亡者のピークとなる。今回の波も同じなら、死亡者は2月下旬まで増え続けることになる。


上のグラフは横軸に陽性者数を、縦軸に死者数をプロットしたもの。陽性者数は16日前の値をとっている。第1波から第6波までについて色を分けている。いずれも7日平均の値。

それぞれの波についての死亡率を計算したのが、下の表である。
期間累積陽性者数累積死者数死亡率
120/1/16 - 20/6/616,9793422.01%
220/6/7 - 20/10/568,2837291.07%
320/10/6 - 21/2/27344,3916,9362.01%
421/2/28 - 21/6/18350,0926,2231.78%
521/6/19 - 21/11/25940,9633,5220.37%
621/11/26 - 22/2/21,246,9723,0600.25%
※死者数の期間は16日遅れ
これで見るとおよそ1%から2%だった死亡率がデルタの第5波で0.37%にまで低下し、第6波のオミクロンではさらに0.25%まで下がっていることがわかるが、言われているほど激減しているわけではない。しばらくは200人を超える死者が続きそうだ。

なぜオミクロンでもこれほど死亡率が高いのか。
これについて、コロナ死者のカウントに問題がある、という指摘がある。

厚生労働省の令和2年6月18日の事務連絡に、以下のような記述がある。

問1 2 月7 日、2 月14 日の事務連絡では、「新型コロナウイルス感染症患者が死亡したとき」に、速やかに厚生労働省に報告するとあるが、どのような状況に報告すべきか。

答 事務連絡中の「新型コロナウイルス感染症患者が死亡したとき」については、厳密な死因を問いません。新型コロナウイルス感染症の陽性者であって、入院中や療養中に亡くなった方については、都道府県等において公表するとともに、厚生労働省への報告を行うようお願いいたします。


つまり、死因がなんであろうと、陽性者であれば「コロナによる死者」として報告することが義務付けられているのだ。

日本では平均して毎日3800人ほどがなくなる。その中で、たまたまコロナが陽性であった人が3%いただけで、100人のコロナ死者が出ることになる。現在の50%近い陽性率を考えると、他の原因で亡くなった人の中に、5%や10%の陽性者がいてもおかしくない。

以下のグラフは、コロナ死者の年齢階層別分布と、人口動態調査の年齢階層別死者分布を示したものである。非常に分布が似ていることからも、「たまたまコロナが陽性であったが、主要な死因は別」という人が、コロナ死者としてカウントされている可能性大である。



以上