フィボナッチと黄金分割

2022/10/08

フラクタル プログラム

フィボナッチ数列という言葉を耳にされたことはありますでしょうか?


1,1,2,3,5,8,13,21,・・・


 このように1,1から始まって、前の2つの数字を足し算していく数列です。ただそれだけのことなのですが、なぜか花とか葉の付き方には、この数字が頻繁にでてきます。生物はフィボナッチが大好きなのです。


この数列の連続する2つの数字の比率は「黄金比」という数字に収束します。黄金比は黄金分割などとも言われ、人間が美しいと感じる比率だそうです。


フィボナッチが黄金比につながり、その比率を使って花が成長し、結果としてフィボナッチの渦巻きができる。そんな様子を以下の短い動画にまとめました。



この動画だけではわかりにくいので、以下に解説していきます。

フィボナッチ


最初に一辺の長さが1の正方形を置きます。


次に同じく1の正方形を下に並べて置きます。


次に2つの正方形の右に並べるように一辺の長さ2の正方形を置きます。


次は3の正方形を下に置きます。


こんな感じで、どんどん大きな正方形を配置していきます。






どんどん大きくなってしまうので、このあたりで描くのはやめておきます。


上の図でわかるように正方形の一辺の長さは全て「フィボナッチ数」になっています。そして、フィボナッチ正方形でつくられる長方形は黄金比の長方形に近づいていきます。

それでは正確な黄金比はいくらなのでしょう。下の図に黄金比の求め方を示しています。

黄金比とは「黄金長方形に正方形を加えても黄金長方形である」という性質から方程式を作って求めることができます。おおよそ1.618になります。


黄金分割と植物


角度にも黄金比があります。下の説明にあるように360°を黄金比で分割した角度で、おおよそ137.5°です。

花や葉の成長に関係があるのは、この角度の黄金比です。例えば新しい葉ができるとき、前の葉の角度から黄金角だけ回ったところにできれば、葉っぱ同士が重なって日光を遮るということがなくなります。


新しい花が前の花から黄金角だけ回ったところにできて成長していく、という条件でシミュレーションしたのが、冒頭の動画でした。

下の図は、エクセルで同じようなシミュレーションをしたものです。


右回りの渦が見えます。この腕の数は13本。フィボナッチ数です。


そして逆回りの渦もあります。こちらの腕の数は21本。やはりフィボナッチ数です。


このように「自然の花や葉は黄金角を使っている」ことは確かなようですが、植物は分度器を持っていません。どうもホルモンが関わっているようですが、それで、そんな精度のよい角度を決めることは不可能です。

なぜ黄金角になるのか、いろいろな仮説をたててシミュレーションしてみましたが、いまのところうまくいっていません。奥が深いようです。