1月になって死亡者がまたまた激増

2023/03/26

コロナウイルス 統計

 人口動態統計速報の1月データが3月24日に公開された。

データを見てビックリ。1月の死亡は16万8970人で、これは前年1月を2万4978人も上回る。率にして17.3%。


出生は前年1月より3490人下回る6万4052人であり、その結果としての人口自然減は10万4918人となった。



これまでの経緯がわかるように、もう少し詳しく見てみる。下のグラフに2017年からの死者数の推移を示す。昨年の2月と3月、そして8月から12月について死者数が激増しているが、今年の1月は、これまでの激増をさらに上回る増加となっている。原因がわからないままの、このような激増は不気味でさえある。



出生については、特に異常が見られるわけではないが、減少傾向が止まらない。


毎月の死亡者数と出生数の過去12ヶ月合計を下の線グラフに示す。

死亡者数は、ほぼ直線的に増加している。これは高齢化が主要因である。東日本大震災で一時的に増加、そしてコロナ発生後、一時的に減少するが、しばらくして増加に転じ、これまでにない急増となっているのがわかる。

出生数についても直線的に減少している。


死亡者数の増加と出生数の減少により、人口減少が止まらない。特にコロナ以降に減少が甚だしくなっている。


死亡者の急増


死亡者数の増加について、もう少し詳しく見てみる。下のグラフの上の青い線は、過去12ヶ月の死亡者である。そしてトレンドと称しているオレンジの線は、死亡者数の傾向を示す。これから見るとほぼ直線的に増加しているのがわかる。この直線的増加は、高齢化が主要因である。


上のグラフで紫の棒グラフは、これまでの傾向から予想される死亡者と、実際の死亡者の差を示す。これをここでは「超過死亡」としている。実際の超過死亡はもっと細かい計算をしているが、基本的な考え方は同じである。どのように算出したかは後で述べる。

超過死亡の推移を見ると、2005年の3月にピークがある。これはインフルエンザの猛威によるものと推定される。そして東日本大震災では一年近く超過死亡がプラスとなっている。

コロナが国内に入ってきた2020年1月からは、なぜか超過死亡がマイナスとなっている。これはコロナ死者が少なく抑えられた一方で、インフルエンザが発生しなかったからと説明されている。

そして2021年の5月あたりから超過死亡がプラスに転じ、2022年2月、3月、そして8月以降に急増する。

下のグラフに、コロナ発生以降の時期について、超過死亡とコロナ死亡を棒グラフにした。コロナ死者は超過死亡を大きく下回っており、コロナでは超過死亡を説明できない。


上のグラフには、参考情報として、ワクチン接種回数を緑の線グラフ(右スケール)で示している。相関があるようにも見える。

超過死亡がこのように激増しているのは重大な問題である。政府には原因を究明し、適切な対応をとるよう、強く求めたい。

参考:超過死亡について


超過死亡というのは、予測される死亡者数と実際の死亡者数の差である。死亡者は高齢化などによって年々増加する傾向にある。また季節によって死亡者数は大きく変動する。冬の寒い時期に増加し、暑い時期に減少する。

今回の超過死亡算出にあたっては、コロナ発生前の死亡者数について、年々の増加と、月による変動に分離して、コロナ発生以降の死亡者予想(トレンド)を算出した。そしてそのトレンドから超過死亡を算出している。

下のグラフで青色の線が毎月の死亡者数、オレンジの線が死亡者予想(トレンド)である。


そして、青線とオレンジ線の差が超過死亡として、下のグラフにプロットした。