前回のブログで、 超過死亡の死因は、老衰、コロナ、循環器、誤嚥性肺炎、糖尿病など、高齢者特有の病気が大半であると述べた。
それを確認するため、今回は年齢階級別の死亡者数を調べてみた。データソースは人口動態統計である。
前回のブログで示した死因の割合は下のグラフのようであった。内分泌・精神・神経については糖尿病などに代表される死因である。これらの死因は、高齢者であることを連想させるものばかりだ。
下のグラフは、年齢階級別に、2019年と比較して、2020年、2021年、2022年の死亡者数がどれくらい増加したのか(あるいは減少したのか)を示したものである。2022年のデータが11月までしか発表されていないため、各年とも1月から11月までの累計で比較している。
50歳代まではほとんど変化がなく、60歳代では減少、そして70歳代以降で増加という傾向が見られる。
ちょっと見づらいので、60歳代以降だけにしてみたのが下のグラフである。70歳以上の年齢増で、2022年の死亡者が激増していることがわかる。
2019年から2022年の3年間で各年齢階層の人口も変化しており、死亡者数の増減も人口増減の影響を受けている。下に年齢階層別の人口を示した。例えば65-69歳の階層では人口が急激に減少している。上のグラフで65-69歳の死亡者数が減少しているのは、このような人口減少の影響を受けているためであることがわかる。
前回のブログと合わせると、今回のコロナは、直接的に高齢者を死に至らせただけでなく、社会環境の激変など、間接的な要因で、高齢者の死亡を増加させたと言えそうである。
間接的な要因として、高齢者の外出機会や人と出会う機会の減少、医療体制の逼迫、ワクチンの副作用などが考えられるものの、現時点で明確なエビデンスはない。
国には、このような間接要因も含めて、コロナがどのような影響を与えたのかを、しっかりと調査してほしいものである。
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