超過死亡の死因は高齢?

2023/04/05

コロナウイルス 統計

 4月4日に人口動態統計月報(概数)の令和4年11月分が発表された。


人口動態統計速報はすでに令和5年1月分が発表されており、ここで超過死亡が大変な数になっていることがわかった。これについては前回のブロクで詳しく報告している。この中の推定超過死亡は下のグラフのようであった。コロナの始まりとともに、一時的に超過死亡がマイナスになり、一年後あたりから急激に増加している。



人口動態統計月報(概数)では、死亡原因が発表されているので、昨年の11月までのデータではあるが、どのような死因が増えているのかについて、見ていきたい。

まずは2019年1月からの主な死因別の死者数推移を下に示す。死因のトップは腫瘍(ガン)であり、循環器系の疾患が続く。循環器系については寒い時期に多くなっていることがわかる。この2つで死因のほぼ半分を占める。

それ以降、老衰、内分泌・精神・神経系(糖尿病など)、誤嚥性肺炎等、肺炎、消化器系、腎臓などが続く。


年間の死者数について、2019年と2022年を下の円グラフで比較した。2022年は2019年と比較して、腫瘍、循環器の割合が減少し、老衰、誤嚥性肺炎、コロナなどが増えている。



下のグラフは主な増加要因について、2019年の同月からの死者数増加の推移を示したものである。


これらの増加要因について、その割合を下の円グラフに示す。11月までのデータである。
老衰、コロナ、循環器、誤嚥性肺炎、内分泌・精神・神経などが増加要因になっている。これら要因から、高齢者の死亡が増えていることがわかる。


現時点でははっきりしたことはわからないが、コロナで生活様式が一変したこと、ワクチン接種によって免疫が落ちたことなどで、特に高齢者に厳しい状況になったのではないかと推測する。

昨年12月と今年1月の超過死亡が非常に多くなっているので、分析は、これらの死因統計が出るのを待ちたい。