ともするとコロナを忘れてしまいそうになるが、オミクロンの猛威はまだまだ治まっていない。
7日平均の陽性者数で見ると、いつまでたっても6万人超えが続いている。これまでの波に比べると、少し往生際が悪い。
第1波から第6波 までの陽性者数をプロットしたグラフを下に示す。
これまでの波の推移は次のように言える。
最初の波の爆発は2020年2月13日に始まった。その時の陽性者数は0.714人。つまり毎日1人か0人という状況だったが、それから一気に爆発して62日後の6月14日に533人のピークをつける。
533人は今から見るとものすごく少ない数だが、スタート時点からの倍率で言うと746倍。2ヶ月で700倍以上になるという爆発であった。
そこから一気に収束に向かうが、下がり切ることなく、第2波がやってくる。このときも56日でピークになっている。そしてピーク値は1372人と切り上がった。
第3波は2つの段階を経て、92日後にピークをつける。このときの値は6489人と、また大きく切り上がる。そして十分下がり切ることなく、第5波、第6波と、ピークを切り上げていく。
第3波を除くと、増加に転じてから、いずれも60日前後でピークアウトしている。
第5の波であるデルタは、23182人のピークをつけた後、一気に減少していく。100人にまで減少し、「これでコロナは終わった」とみんなが希望を持ったときに「オミクロン」がやってきた。
このオミクロンは、やはり増加に転じてから65日でピークに達しているが、その増加倍率がこれまでとは全く異なる。12月2日の106人が、2月5日には86023人、実に810倍になっている。この倍率は第1波と同様である。
波の振る舞いをわかりやすくするため、増加に転じた時点をスタートに、各波を重ねたグラフを作ってみた。
第6波(オミクロン)のカーブが、急激に増加していることと、なかなか治まらないという点で、他の波から際立っているのがわかる。
これから何が言えるのか。
第1から第5までが一連のコロナで、変異を繰り返しつつ連峰を作っていた。そしてその連峰が第5で収束した。
第6のオミクロンは、これまでの連峰とは異なる山。つまり変異株は変異株だがマイナーチェンジではなくフルモデルチェンジ。単独峰であればよいのだが、高原であったり、またまた連峰だったりすると、コロナとは縁が切れない。
そのような可能性を念頭に、騒ぎすぎず、冷静に受け入れるしかないのではないだろうか。
今回のオミクロンの山の形がおかしいのは、検査が追いついていないからだという説がある。実際に、横軸に陽性者の数を、縦軸に検査陽性率をとったグラフをつくってみると、今年の2月あたりからぐちゃぐちゃになっている。
本来、検査対象の選び方が同じであれば、陽性者数と検査陽性率はスムーズな曲線になるはずである。このことからも検査がおかしくなっていて、陽性者の数から感染者の数の推定が難しくなっている。
次に分析したのは、各波における死亡率である。
第1~第4までの死亡率は1.82%、第5波の死亡率は0.37%であった。これはその波の全期間における陽性者と死亡者で計算している。
第6の波(オミクロン)についてはまだ終わっていないので、死亡率は計算できないが、これまでの途中経過では0.18%となっている。ただし、死亡には時間遅れがあり、まだまだ死亡者はピークアウトしていないので、もっと高い死亡率になる可能性は残っている。
ただし、死亡率についても、「死亡時点で陽性だった人はすべてコロナ死」というとんでもない判断基準のため、どこまで信頼できるのかという問題点は残されている。
最後に世界の状況をみてみる。どこの国もおおよそ、ピークアウトしていて、様々な規制も撤廃の方向に向かっているのは、ニュースでご存知のことと思う。
このあたりで、今一度、ワクチン接種率と百万人あたりの死亡者数の相関をグラフにしてみた。3月3日現在の値である。(バブルの大きさはその国の人口)
この見事な相関の真の原因が何かについては正直、わからない。「ワクチンが免疫を弱めて死亡率を高めている」ということのないように祈りたい。
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