昨日のブログで、ブースター接種率と陽性者数の間に明確な相関があることを紹介しました。そして、その理由についてはよくわからないと。そこで今日は、もう少し詳しく分析した結果を紹介します。
ブースター接種が始まったのは昨年暮れごろ、オミクロンが勢いをつけているころでした。昨日の分析は陽性者数として全期間をとったものでしたので、今回は昨年12月1日以降を対象にして相関グラフを作成しています。合わせて、死者と死亡率もプロットしました。
最初にブースター接種率と陽性者数(12月1日以降の100万人当り陽性者数)をプロットしたのが下のグラフです。
国の数が多すぎて、表示が重なっており見にくいですが、全体としての傾向をみていただければOKです。G7(日本、米国、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ)と韓国については、色を変えて見やすくしています。
昨日のグラフと同様、ブースター接種率が高い国ほど、陽性者数が多くなっています。12月1日以降の陽性者数なので、ブースター接種を行っても感染が防げなかったか、あるいは、接種の効果が出る前に感染が広がってしまったのか、よくわかりませんが、結果として効果がない、あるいは逆効果であることを示しています。
感染防止効果がないとしても、重症化を防ぐ効果はあると期待して、死者数との相関グラフを作ってみました。下のグラフで、感染者数と同じように昨年12月1日以降の死者数(12月1日以降の100万人当り死者数)をプロットしています。
やはり相関は見られますが、感染者数よりは傾きがゆるいカーブになっています。つまりブースター接種率の高い国ほど、死者も多くなっているが、感染者数ほどではない、ということです。
それでは、死亡率はどうなるのでしょう。下のグラフが、ブースター接種率と死亡率の関係を示したものです。
ここでやっと期待する相関がでてきました。ブースター接種率が高い国ほど、死亡率が低くなっています。
バンザーイ!
でも素直に喜んでいいのでしょうか?
ブースター接種率が高い国ほど、死者数は多くなっています。死亡率が低いというのは、死者の増加以上に陽性者が増加しているということです。
つまり、ブースター接種率の高い国ほど、陽性者数は多くなる。死者も多くなるが、陽性者ほどではない。その結果として死亡率は低くなる。
これはどう解釈すればよいのでしょう。調べれば調べるほど謎が深まります。
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