早々と梅雨が明けて猛暑の夏になったというのに、新型コロナは衰える気配を見せない。
7月になったこの機会に、今一度、新型コロナの現状を整理しておきたい。
まずは国内における第6波の陽性者数、重症者数、死者数の推移である。最初のグラフは第6波が始まった昨年12月からの推移を示したもの。縦軸は対数になっている。小さな変動を繰り返しながら、緩慢に減少していることが分かる。
最近の陽性者数増加が気になるので、5月からの推移を拡大して表示したのが、下側のグラフである。陽性者数が左軸、重症者と死者は右軸にしている。これを見ると6/20頃から陽性者数が増加傾向にあり、それにつれて若干ではあるが重症者数も増加に転じている。
これを次の波の兆しと見るか、単なる小さな変動と見るかは、もう少し様子を見ないとわからない。
次の2つのグラフは、死亡率を見る目的で、横軸に陽性者数を、縦軸に死者数をとったものである。
上のグラフは、第1波から第6波、それぞれにおける累積陽性者数と累積死者数の推移を見ている。陽性者数、死者数ともに第6波が最大となっているが、波全体の死亡率は0.18%と最小である。
下のグラフは7日平均の陽性者数、死者数をプロットしたものである。増加時には右上に動き、減少時には左下に動く。他の波ではピークアウトの後は速やかに左下に動いたが、第6波では一応左下に動いてはいるが、その動きが緩慢なものになっている。
幸いにして死亡率は減少しており、7月1日時点での死亡率は0.1%である。
※陽性と死亡には遅れがあるため、下のグラフでは平均遅れを16日としてプロットしている。
次に、陽性者とワクチン接種の関係について見ていく。厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード」での最新公開資料は以下のようなものである。
この表ではわかりにくいので、グラフにして見た。上が年代別のワクチン接種状況であり、下が年代別の10万人あたり陽性者数である。
ワクチン接種状況について、50歳以上では3回目接種の割合が非常に高く、80歳以上ではほとんどが3回接種済みで、未接種者はごく少数となっている。
10万人あたりの陽性者数について、30代、40代、60代、70代の年齢層について、未接種者の陽性者数が2回接種済より少なくなっている。さらに65-69歳においては、3回目接種済より未接種の陽性者が少ない。
80歳代の未接種者陽性が大きな数字になっているが、これは10万人あたりの数を計算するときの分母となる未接種者が非常に少ない上に正確ではないためで、信頼度は低い。
最後に、世界全体の状況を見る。主要国だけをプロットしたものであるが、ヨーロッパの国々(イギリス、ドイツ、フランス、イタリア)で次の波の到来を思わせる明確な上昇があることがわかる。カナダとアメリカは小康状態であるが、日本と韓国に上昇の兆しが見られる。
今回は余計な解釈をせずにデータだけを示した。データの出どころは以下の通り。
国内のデータ
厚生労働省:データからわかる-新型コロナウイルス感染症情報-
厚生労働省:新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード
海外のデータ
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